東京萬天堂
鏡花 (きょうか)
写メ日記
この世界に足を踏み入れてからもうすぐで3ヶ月が経ちます。
たくさんの知らなかったことがあり、知ることができてよかっと思うこともあれば、知らなくてもよかったなと思うこともあります。
腹パンもその一つです。
もともとSMにはさほど興味がなかったのですが、性感の知識を追求していくと無視するわけにはいきません。目隠しや拘束、鞭や蝋燭ぐらいの知識しか持ち合わせていなかったのですが、腹パン=腹をパンチする がSMのフェチプレイとしてあるようです。ツイッター等でも腹パンをしている動画が多くあったので、それなりに普及しているのは想像に難しくないのですが、僕にはどうもしっくりこない、興奮どころか不快にすら思う。
腹パンと聞いて一番に想像するのが「中学生がやっていそうないじめ」です。強いものが弱いものを羽交い締めにして殴り、それを楽しむ。不快に感じるのは、殴っている方の笑顔を想像するのが気持ち悪いからです。お互いが殴られる可能性にあれば別になんとも思わないのですが、一方的に痛めつける立場と、痛めつけられる立場という図式に虫唾が走ります。
SMとはそういうものなのかもしれません。僕がその世界について無知で理解力が乏しいのかもしれません。ですが、不快は不快です。
頼まれたらやるか?と聞かれたら、たぶん僕はやらないと答えます。もしどうしてもやってほしいという希望があれば、僕ではなく他の方に頼んでほしい、と答えます。女性の腹を殴る自分が嫌ですし、僕を指名してくれる方のためにも断ります。女性の腹を殴るセラピストに施術されるのって、僕個人としては生理的に無理です。
頼まれたことをできないなんてプロ失格と言われそうですが、嫌なものは嫌です。スカトロやゲロプレイを拒否するのと同じです。僕は相手を苛めるのは好きですが、痛めつけることは嫌いです。それを強要される世界であれば、さっさと辞めます。
腹パンや過度なSMプレイは目を引くのでしょう。SNSとの相性はよく、一般的なSMよりも拡散され注目されやすい。それを見た勘違いした馬鹿が、「女性は腹を殴るのが気持ちいいのか」なんて思わないか心配です。
拘束、目隠し、そういったプレイは大好きです。視覚や動きを奪うことで「何をされるかわからない」状態になり、興奮につながります。僕は四つん這いにさせて後ろから眺めるのが好きなのですが、その状況は自分の中のSな部分を引き出していると実感します。女性が感じている顔も、ちょっと苦しんでいる姿も好きです。「何をされるかわからない」は、「けっきょく何も起こらない」とセットであるべきだと感じます。
われわれがジェットコースターを楽しめるのは、「振り落とされるかもしれない」という恐怖が、「でもけっきょく元の場所に帰って来る」とセットだからです。もし、致死率50パーセントで、乗客の半分が地面に落下する遊具だとしたら誰も乗りたがりません。
自分のためにも、すべての女性のためにもグロテスクなプレイをするのはやめませんか。車の運転が下手くそな人って、遅かれ早かれアクセルの踏みすぎで事故ります。でもそういう人に限って、「おれって運転うまいから大丈夫」なんて思っているんです。
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